ものづくりのすごさ。

AKG Y45BTを購入しました。

iPodに付属のヘッドホンが耳からポロリとおちてイヤ~な気分になることが多かったので、決して落ちないタイプのものが欲しかった。けど、あまり目立つのもどうかなあというのもあった。しかし目立たなければいいかというと、それなりに生音は聞いてきていると思うので、なんじゃこりゃー的な、作りの悪いものはのっけから除外したかった。

メーカーが本気出している波長、というか、びびっとくるかどうか。作る側の意思を感じることができるのかどうか。モノとしては単なるヘッドホンなんだけど、いわゆるヘッドホンでしょ、的なカテゴライズで終わるんではなくて、自らプラスアルファを主張している製品がほしかった。

それでいて、価格は1万5千円くらいが上限で。

これは贅沢な要求だ。。と思っていました。

そこでまず購入したのが、ソニーのモニターヘッドホン。

SONY ステレオヘッドホン MDR-7506

SONY ステレオヘッドホン MDR-7506

 

 ドラムの練習で使っているけど、これはいいですよ正直。

普通ヘッドホンって使っていると音が濁ってきてしまう感じになることがあるかと思います。特にヘッドホンしながら楽器の練習をしていると、ついつい音が大きくなりがちです。難聴を招くのでいけないと思いながらも、ドラム練習中のiPodの音量は音源によるけれどだいたい80%~100%が多い。ヘッドホンアンプなんて通さなくても十分実用的なんだけど、問題はヘッドホンの出力です。音が大きくなってくると、多分電気的には歪むんだろうけど、「耳に、意識に入ってくる音でなくなってくる」んです。

これを使う前は、とあるサイトで、ドラムの練習用としてお勧めだったKOSSの激安ヘッドホンを使っていました。それがこれです。

【国内正規品】KOSS オープン型ヘッドホン オーバーヘッド/ネックバンド兼用 SPORTA PRO

【国内正規品】KOSS オープン型ヘッドホン オーバーヘッド/ネックバンド兼用 SPORTA PRO

 

 サウンドハウスでは3千円前後で購入できます。ちなみに、税込み3000円を切って送料無料ってすごすぎです。で、この音がまた、インプレッションでありましたが「元気な音」とはこのことを言うのでしょう。低音がすぱすぱ出て、不機嫌な月曜の朝も、家族と喧嘩してしまった日曜の午後のひとときも、このヘッドホンとお出かけするとご機嫌に戻れます。不思議ですよねヘッドホンごときに。でも、それだけ違うものなんです。

ただねー。弱点があるんですよね。「中音が(かなり)いまいち!!」

あーあ、言っちゃいましたね。安いから文句は言えません。この製品の最大のウィークポイントはこれでしょう。曇りがかった中音が、全体的にベールをかぶったような音にしています。となるとどうなるか。ドラムの練習をしていると、聞こえなくなってくるんです。認識の中に入ってこない。ただうるさい。開放型のヘッドホンで、狭い音楽室で100db超のドラムを叩いたらそりゃー音はかき消されそうですが、そうじゃない。ヘッドホンそのももの音が曇ってるんです。いやでもいい音ですよ。元気になれる。不思議なパワーを持っています。このヘッドホンはしばらく私のよき伴侶でした。

ところがある雨の日、この細いケーブルと、頑丈なフレームにはさまれて、左耳のワイヤーが切断されてしまったのです。この日を境に、ワイヤーが何とかならないかなあと思いはじめるようになりました。

そして購入したのが、SONYのモニターヘッドホン。カールコードです。(ようやく話が戻りました)

このヘッドホンにしてから、通勤での故障も当然起きなくなりました。しかし、目立つ目立つ。ちらちらと視線を感じることがあり、ちょっと目立つなあと思い始めていました。

ですがドラムの練習ではかなり使えます。KOSSのヘッドホンとは違い、エッジのきいた中音はiPodのボリュームを90%や100%にしても残っています。しかもドラムを叩き続けても、エッジの聞いた音の輪郭はのこり、ぐいぐいとそのエッジを聞いている人に切り込んでいくわけです。すると、聞いている本人も何の音がなっているか、ドラムを叩きながら認識できるわけです。結果、練習もはかどる。

音の出力が大きくても、悲鳴を上げた音を垂れ流すのではなく、音が小さいときと同じように、エッジのきいた音を出してくれる。ああなんだか仕事に対峙する理想と現実の自分みたいだ。。いやいや関係ない。

それで、方向感やエッジ感を安定して提供してくれるというと連想するのが、VWゴルフなんです。もちろん一番グレードの低いEです。話はとんでいるようですが飛んでいません。

VWゴルフは私が新車で購入した始めての車だったのですが、この車、ぬおわkm/h出してても、山道走ってても、ハンドルを切った方角にぴたーーーっと追従するし、特に山道でカーブに突っ込んでタイヤが鳴り出したとき、降雪時の交差点でスリップしたときなど、ESPという横滑り防止装置がはたらいて、自分の意図する方角に車体の挙動を矯正してくれるんですよ。意図したラインを実現できる、悲鳴があがっても望ましいラインを実現させようとしてくれる、という観点で、VWゴルフのESPとヘッドホンとは共通点があると思っています。

しかし、同じ機能があればいいってもんじゃないです。たまたま今乗っているホンダフィットにも同じような機能があります(VSD?だっけ)が、その効き目がまったく違います。タイヤも違うのでしょうが、手作りのマーボー豆腐と丸美屋の麻婆豆腐のもとを使った料理、見たいな。もちろんVWゴルフは前者です。私は別に欧米至上主義でもコンプレックスを持っている訳でもありませんが、乗っている実感として感じます。残念ながら。

 

ということで、使っている人がその製品から波長を感じられるかどうか。

自分も仕事をするなら、そういう製品をつくることに関われればいいなあと思うわけです。

 

何かとりとめなくなりましたが、今日はここまで。