Cocco 「強く儚い者たち」

音楽はその時の景色や匂いや色や気持ちをそのまま記憶にとどめてくれてくれる。だから好きでも嫌いでも、自分の一部だと思うし、それがどんな姿をしていようとも自分の一部として愛しくしてあげたいと思う。

 

この曲がリリースされてラジオでよく放送されていた頃、私は沖縄にいた。
もちろん学生として沖縄にいたわけだが、沖縄に何かゆかりがあったわけでも何でもない。私はただ、自分の生まれ育った環境が嫌いだった。遠くに行きたかった。ずべてをリセットしたかった。この曲が流れていた頃は、大学4年だったとと思う。当時付き合っていた彼女とはもう関係としては終わろうとしていて、別れ話が始まっていた頃だったと思う。今でも覚えている。沖縄の330号線沿いにあるゼネラルスタンドで給油していたとき、この曲がたまたま流れていた。そして何を思ったか、給油しながらこの曲を聴いた時、ひとり涙が出てきて止まらなかった。

 

そうよ飛び魚のアーチをくぐって
宝島についた頃 あなたのお姫様は 誰かと 腰を振ってるわ
人は強いものよ そして儚いもの

 

もうこの時から、自分の路線は決まっていたのかもしれない。
ありたい姿と、今の姿のギャップをどうすることもできなくて。
この人とは結婚寸前までいったけれど、最後はうまくいかなかった。

きっとyはり、本土の文化に戻りたい気持ちがあったのだと思う。

今となっては当時の彼女にお礼しか言えない。沢山の思い出をありがとう。

そして、人の強さと儚さを歌ったこの曲は、Coccoの数ある名曲のなかでも私はダントツで好きな曲ベスト1となっている。

 

これからもいいことがありますように。
当時の彼女にも、幸あれ。


当時の甘酸っぱい沢山の思い出を抱えながら、生きていきます。